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グリッド地形差分

■ グリッド地形差分について

2つの地形の標高差について、グリッド(格子点)のZ差分(= 地形1のZ - 地形2のZ)を求めて3D表示します。

 

地形データには、読込み前(ファイル名指定)または読込み後(ページ内オブジェクト指定)のデータを指定できますが、グリッド化されていないデータは、ウィザードの初期段階でグリッド化の事前処理を行います。

 

地形データとして指定可能なデータは次の通りです。

  • 予め本ソフトでグリッド化したデータ(読込み前または読込み後)
  • テキスト形式やLAS形式の点群データまたは点群間引きデータ(読込み前または読込み後)
  • 点群間引きデータ等のXYZデータから作成したTINサーフェス(読込み後)
  • LandXMLやDXFから読込んだTINサーフェス(読込み後)
  • 水平面(Z値を指定,地形1or2のどちらか一方)

差分計算を行うためは、それぞれのグリッドデータのグリッドサイズ(1m×1m等)を同じにすること、加えてグリッド軸を回転したローカルグリッドの場合には、回転の原点座標と回転角を同じにすることが必要です。

 

地形差分の計算結果は、地形1と地形2のグリッド上の2点を結んだ「グリッド差分線」、およびグリッド地形サーフェスに差分による段彩色を加えた「グリッド差分サーフェス」で表現します。 

■ 地形データの準備

ここでは例として、現況地形の点群間引きデータと計画地形のTINサーフェスから差分を求めます。計画地形は、説明をわかりやすくするために簡単なモデルとしています。

 

▼ 現況地形:点群間引きデータ ⇒ グリッドデータ

現況地形としてフィルタリング後の間引きした点群データ(グラウンドデータ)を用意します。 

 

点群間引きデータからTIN法によりグリッドデータを作成して保存します(欠測・削除部を補間)。

▼ 計画地形:TINサーフェス

計画地形として3D-DXFのモデルを作成し、TINサーフェスで読込みます。 ⇒ DXFからTINの読込み

▼現況地形&計画地形

下図は、現況グリッドデータに計画TINを追加読込みした図です。計画地形は盛土形状です。 

■ 地形差分ウィザードの起動

メニューバーから[ツール]-[グリッド地形差分・土量計算(ウィザード)]を選択すると、ウィザード画面が起動ます。

 

 

ウィザード起動後、手順に従って入力を行います。処理を進める場合は[次へ]ボタンをクリックし、処理を戻して修正したい場合は[戻る]ボタンをクリックします。 

■ ステップ1 計算区分等

ステップ1の計算区分で地形差分を選択します。

 

 

①入力設定(再計算フラグ)

新規に地形差分計算の入力を行う場合いは[新規]、現在ページに既に計算データがありその入力を継承または修正する場合は[再計算]を選択します。

 

②計算区分

[地形差分(標高差)]を選択します。

 

③計算タイプ

ドロップダウンから項目の表示方法を選択します。計算方法・結果に影響しません。

 

④プロジェクト設定

平面直角座標系等の工事情報付加、設定した領域での計算範囲の制限、グリッドフロア表示等の場合に設定します。ここでは、[なし]を選択します。

 

【参考】 

 

新規作成: 平面直角座標系、グリッドフロアが自動設定されます。

既存プロジェクト: 既に作成済みのプロジェクトを使用する場合、プロジェクトファイルを参照します。

現在ページのプロジェクト: 現在ページにプロジェクト設定がある場合に選択可能になります。

 

⑤次ステップ

ステップ1の入力後、[次へ]ボタンをクリックします。

 

 

 

■ ステップ2 地形データ選択

地形差分計算では、「地形1-地形2」の標高差を計算します。ステップ2では、地形1データおよび地形2データを選択・指定します。

 

 

①[地形1]の選択方法

ここでは、計画TINサーフェスをdxfから読込んでいるので[開いているページの地形データ]を選択します。

 

[地形1]のデータ選択

[ページ名]および[オブジェクト名]のドロップダウンから、計画TINサーフェスを選択します。

 

③[地形2]の選択方法

ここでは、現況地形のグリッドデータを保存してあるので、[データファイル選択]を選択します。

 

④[地形2]のデータ選択

[フォルダ名」・[ファイル名]の[参照]ボタンをクリックして現況地形のグリッドデータファイルを選択します。

 

⑤次ステップ

ステップ2の入力後、[次へ]ボタンをクリックします。

 

 

■ ステップ3 事前グリッド化処理

グリッドでないデータについて事前のグリッド化処理を行います。

ここでは、地形1:計画地形がTINサーフェスであるためグリッド化します。地形2:現況地形はグリッド

データのため処理不要です。

 

 

①グリッド化処理

[グリッド化]ボタンをクリックし、TINサーフェスをグリッド化します。 「点群・XYZデータからグリッドデータの作成」メニューと同様の処理を行います。

グリッド化が終了すると、事前処理データのテキストに保存したグリッドデータのファイル名が入力されます。

 

 

②次ステップ

ステップ3の入力後、[次へ]ボタンをクリックします。

 

 

■ ステップ4 データチェック

2つの地形のグリッドデータ情報が表示されるので確認します。

 

 

①[次ステップ]

ステップ4でグリッド情報確認後、[次へ]ボタンをクリックします。

 

 

■ ステップ5 計算条件の設定

ステップ5では、計算条件を設定します。

地形1と地形2のグリッドのラップする共通領域を表示するので確認します。

計算の対象とする領域および計算の対象としないZ差分の範囲を設定可能です。

 

 

①計算対象領域(XY平面)

計算の対象とする領域を指定する場合に設定します。

ここでは、領域を設定しません。

 

【参考】

領域を指定する場合は、[XY値が次の平面領域内にある座標点のデータを計算対象とする]にチェックを入れます。

 

矩形領域の場合、[矩形領域]を選択します。Minに領域の左下(最小XY)の座標値、Maxに領域の右上

(最大XY)の座標値を入力します。 

 

プロジェクト設定で矩形領域を登録している場合、その選択が可能です。

 

 

多角形領域の場合、頂点XY座標のテキストリストファイル(.csv 形式 or .xy形式)を作成しておきます。[多角形領域]を選択し、[参照]ボタンでファイルを選択します。

 

 

プロジェクト設定で多角形領域を登録している場合、その選択が可能です。

 

 

 

②除外するZ差分の範囲

Z差分の値が、ある範囲内の場合に計算対象としない(差分=0)設定を行います。

ここでは、計画地形が盛土形状であり、計画TINが現況より低い場合に切土として表現したくないため、Z差分がマイナスの時に差分=0とする設定を行います。

 

 

【参考】

地形1と地形2が共に測量データで、変化していない点であっても誤差によりZ差分が0にならない場合の様に、0付近の差分を強制的に0にできます。

 

 

③次ステップ

ステップ5入力後、[次へ]ボタンをクリックします。

■ ステップ6 計算実行

ステップ6で計算を実行し、計算方法、計算条件、計算結果等を表示します。

 

 

①次ステップ

内容を確認後、[次へ]ボタンをクリックします。

 

 

■ ステップ7 3D出力設定

最後のステップ7で3Dビューへの出力設定を行います。

地形差分により出力される3Dオブジェクトは、次の差分線および差分サーフェスです。

  • 差分線:地形1および地形2のグリッド2点を結んだ差分を表す鉛直方向の線。
  • 差分サーフェス:地形1および地形2のそれぞれのグリッドから作成したTINサーフェス。

それぞれに選択したカラースケールを反映します。

なお、差分サーフェスは非表示状態で出力されます。

 

 

①カラースケール

[プラス・マイナス差分]:土工で言うところの切盛の両方を表現します。

[プラス差分]:差分がプラスのみ(盛土のみ)表現。

[マイナス差分]:差分がマイナスのみ(切土のみ)表現。

ここでは、ステップ5で[マイナス差分除外]を選択しているので、[プラス差分]が自動選択されます。

 

[カラースケール名]:ドロップダウンから選択します。右側にカラースケールを表示します。

[カラータイトル]:カラースケール上部に表示する文字(ASCII)を設定します。デフォルトは、Zdiff(m)。

 

②グリッド差分オブジェクト

[差分サーフェスを表示する]:チェックすると、地形1および地形2の差分サーフェスを作成します。

[差分線の線幅]:差分線の線幅(1~10ピクセル)を設定します。

 

③出力ページ設定

新しいページを作成して結果を出力するので、ページ名を入力します。また、ページのタイトルラベルも入力します。いずれも自動テキストが設定されるので必要により修正します。

 

④3Dビュー出力

ステップ7の入力後、[3D出力]ボタンをクリックします。

 

 

■ 3Dビュー出力

▪ グリッド差分線

差分線を3Dビューに出力します。下図ではわかりにくいですが各グリッドに1本1本線を描いています。

 

[カラースケール名]:DiffRed 

 

[カラースケール名]:DiffPlusLight 

▪ グリッド差分サーフェス

 計画地形の差分サーフェスおよび現況地形のグリッドデータを表示しました。「ヒートマップ」の3D表現ができます。

 

[カラースケール名]:DiffGreen 

■ 作成オブジェクト

地形差分計算で作成したオブジェクトの一覧は、オブジェクトツリーに表示されます。チェックボックスのオン・オフで表示・非表示を切り替えます。

 

  • グリッド座標点1:地形1の参照または作成したグリッドデータ。初期非表示
  • グリッド座標点2:地形2の参照または作成したグリッドデータ。初期非表示
  • グリッド差分線:初期表示。
  • グリッド差分サーフェス1:地形1のグリッド差分サーフェス。初期非表示。
  • グリッド差分サーフェス2:地形2のグリッド差分サーフェス。初期非表示。
  • 計算結果テーブル:初期表示。 

現況地形のTINサーフェス、またはグリッド化処理前の色情報付き点群データ等を加えたい場合は、データを追加できます。この場合、追加したデータにカラースケールを設定できません。 

 

 

■ 計算結果グリッドデータの表示

土量計算結果のグリッドデータは、グリッドデータウィンドウの行列表形式シートに表示可能です。

「グリッドデータウィンドウ」

 

 

■ 計算結果の保存

地形差分計算結果のページデータは、メニューまたはツールバーから保存できます。

「Dai-Con Viewer」形式でページ保存