点群間引きデータやグリッドデータから作成したTINサーフェスは、法肩・法尻、稜線等の地形の特徴が損なわれる傾向にあり、データの点密度が小さい(疎)であるほど顕著になります。
しかし、点密度を大きくして地形モデルとしての詳細度を上げた場合は、データ利用が重たくなってしまう弊害があります。
適度の点密度のTINサーフェスへ、ブレークラインを追加することで、地形変化の特徴を良く再現できるモデル化が可能となります。
本ソフトでは、[図形]メニューから作成した「線分」または「ポリライン」をブレークラインとして追加するようになっています。
「線分」「ポリライン」は、3Dビューの点群データやTINデータ等の座標値を参照して作成できるため、座標値を直接手入力する手間がありません(座標入力も可)。
また、本ソフトで間引き点群から作成した色付きのTINサーフェスにも対応しており、ブレークラインによる新たな頂点の色落ち等は発生しません。
なお、レベル面や擁壁等の[面]の追加機能は、現在ありません(検討中)。
ブレークラインとして閉じたポリラインを指定可能になりました(Ver.2.5.2~)。
仮置き形状のTINサーフェスに、元データの点群を参照して事前に作成したポリライン(法肩)を追加します。
ポリラインの作成例 🔗ポリライン作図
①[TINの修正・編集]ウインドウのメニューから【ブレークライン追加】を選択します。
②[図形-ポリライン]をチェックし、ドロップダウンから作成したポリラインを選択します。
3Dビューに緑線でポリラインを表示し、その壁面データを半透明にして参考表示します。
③[近傍点フィット]の入力値により、ブレークライン近傍のTIN頂点をライン上へフィッティングします。
頂点からブレークラインまでの最短水平距離(垂点距離)が入力値より小さい場合に垂点へフィットし、
段差や極小面等の発生を防ぎます。
④[追加 実行]ボタンをクリックします。
[ブレークライン追加]実行により、不要な面を削除し、ブレークラインを反映した新たな面を穴埋め色(デフォルト:緑色)の表現で作成します。
TINプロパティでは、面数、頂点数、表面積に変化があります。
[ブレークライン追加]実行の前後について、拡大した3Dビューを下図に示します。
複数のブレークラインを連続して追加する場合、2回目以降は右側の[確定後続行]ボタンをクリックして継続実行します。この操作を省いた場合、直前の追加処理はキャンセルされます。
ここでは、上記のTINサーフェス天端部に、点群を参照して作成した天端部法肩の閉じたポリライン、および法尻+出隅稜線のポリラインによるブレークラインを追加します。
▼ 天端部法肩の閉じたポリラインと法尻+出隅稜線のポリラインを作成
TINサーフェスを作成した元データの点群を参照し、天端部法肩の閉じたポリラインと法尻+出隅稜線のポリラインを作成します。
▼ 天端部法肩のブレークライン追加
まず、天端部の閉じたポリラインを指定してブレークライン追加を実行します。
次にブレークラインの追加を繰り返すため、右側の[確定後続行]ボタンをクリックします。
▼ 法尻+出隅稜線のブレークライン追加
次に、法尻+出隅稜線のポリラインを指定してブレークライン追加を実行します。
▼ TINサーフェス編集後の更新
ブレークラインの追加実行後に、[更新]ボタンをクリックします。
本ソフトで間引き点群から作成した色付きのTINサーフェスにも対応しています。ブレークラインの追加による色落ち、色移り等の様な症状は発生していません。
ブレークライン追加前を下図の上段に、追加後を下段に示します。
エッジスワップの説明で使用した法面の出隅稜線が正しく表現されていないTINへ、そのTINから座標参照して作成した線分を追加します。
[図形-線分]を選択する以外は同様の操作であり、説明を省きます。